小さなエッセイ

日々の暮らしの中に想うことをあれこれと書いています

2005年06月20日

けだるい午後の車内で

夏のような陽射しが照りつけるホームから、
発車のベルとともに飛び乗った下りの東海道線。
夕方にはまだ早いせいか、車内はとても空いていた。

二人がけの席。私の隣はジーンズにTシャツの若い女性。

ふと気がつくと、彼女は、ずっとデジカメの液晶を見つめていた。
撮った写真を、一枚一枚送りながら、じっくりと眺めている。
彼女の足元には、ちょっとばかり年季の入った、大きなスーツケース。

そっか。海外旅行から帰ってきたばかりなのね。
デジカメに保存された画像には、
どんな旅のシーンが残されているのだろう?

彼女は、東京駅を発車して、電車が川崎に着くころまで、
ずっとデジカメの液晶を眺めていた。
(川崎までは時間にして、20分ぐらい)
どこへ旅行してきたのかな?
もちろん、そんなこと、私に分かるはずもない。

やがて、私はトロリとお決まりの睡魔が襲ってきて、
彼女がデジカメをバックに仕舞うのに合わせる様に、
やわらかな灰色の世界へと意識が飛んでいってしまった。

気がつくと、横浜。
ちょうど、隣の彼女は、重そうなスーツケースを引きずりながら、
電車を降りてゆくところだった。

ちょっとけだるいような、梅雨の中休み。
用事で出かけた帰り道のことでした...

投稿者 sako : 20:56 Write:20:56