小さなエッセイ

日々の暮らしの中に想うことをあれこれと書いています

2006年03月15日

オニギリ考 その4

息子が幼稚園の頃だった。
クラスの親睦会の打ち合わせのために、母親たちが集まったとき、
メニューはオニギリにしよう、と提案が出た。すると、とあるお母さん・・・

「そのオニギリは、誰が握るのですか?
うちの子供には、私の握ったオニギリ以外は、食べさせたくないのですが」

オニギリを握るのは、数名の役員が手分けして分担しよう、という段取りだったが、
そのお母さんの質問に、みな、「あ!」と思ったようだった。
しばらく、意見が飛び交って、
結局、オニギリは、それぞれの子どものおかあさんが、
お家で握って、親睦会に持ってくることに決まったのだった。

自分と他人、自分の手と他人の手、自分の握ったオニギリと、他人の握った・・・
そこにひっかかってしまう人がいるのは、少しも不思議ではない。 
まして、そのオニギリを食べるのはわが子だもの。

今、幼稚園のお母さんたちは、
ラップを広げて、その上に海苔を広げて、そしてご飯を載せて、
ご飯に塩を振り掛けて、真ん中に具を載せて、
ラップごと、ギュギュっと握るオニギリが、多くなっているとか。

確かに、衛生的なのかもしれない。握る手も汚れないし。
そして、そうやって握ったオニギリは、自分の子どもじゃなくて、
他所の子どもにも分けてあげられる。手のひらで握っていないから。
合理的、かつ清潔な、現代お母さんのオニギリ。

その昔、友達のお母さんの握ってくれたドッシリした丸いオニギリ、
コンビーフのたっぷり入ったオニギリを、大きな口で頬張っていた私・・・
なんと豪快で、そしてなんと快楽的なことだっただろう。
あの頃で良かった!

投稿者 sako : 21:44 Write:21:44