日々の暮らしの中に想うことをあれこれと書いています
カタカタと、足踏みミシンを踏んでいた母の後姿。
まだ、幼かった頃、飽きもせずに見ていたことを思い出す。
ミシンは、いつも、ずっしりと黒光りしていた。
母は、足を前後に動かしながら、
右手は胴体の右端にある丸いハンドルを動かして、
タイミングよく針を上下させて、
左手は布に添えて、スイスイと縫うのです。
もちろん、私だって使いました。
小学校の家庭科も、中学に入ってからの家庭科(これは女子だけ)も、
そんな足踏みミシンで色々な課題を作りました。
家では、人形の洋服を作って、着せ替えて遊んでた。
今のように買えばなんでもある時代じゃなかったから、
母から残り布をもらって、上着やスカートを作る。
ミシンで縫ったら、
それにボタンやホックをつけたり、ゴムを入れたり。
工夫して作った洋服は、きっと不恰好だったと思うけれど、
小さな私から見れば、それはどれも、
お洒落なよそゆきのドレスなのだった。
そういえば、うちの二人の娘たちは、
そんなことしなかったなあ。
小さな指先から、小さなドレスを作り出す楽しみ、
教えてあげられなかったのは、
きっと、私の責任かも。
世の中の流れがどんどんと速くなり、
なんでも簡単に手に入る。
それは、大切な時間や大切な心までも、
置き去りにしているのかもしれない。
ミシンを踏む母の背中を思い出しながら、
ちょっとだけ、切ない思いに浸っていました。