小さなエッセイ

日々の暮らしの中に想うことをあれこれと書いています

2009年02月20日

一番の被害者

体外受精による受精卵の取り間違いで、
せっかく妊娠できたのに、
9週目に入ったところで、人工中絶をせざるを得なかった。
そんな医療事故のニュースが報じられた。

不妊の治療を続けて、
やっと妊娠が判明したときの夫婦の喜びと、
医者から「間違いだったかもしれない」と告げられたときの驚き、
そして、中絶手術を受けるときの憤りと心身の痛み。

誰もが、そのニュースを知って、
軽率な処置をした病院に腹を立て、
医療被害を受けた女性への同情が溢れたことと思う。

でも、忘れないでほしい。もっと大事な被害者が居ることを。
そう・・・
人工的にこの世に命の芽を開かせられ、
必死に細胞分裂を繰り返して成長し続けた小さな命。
たった9週間で、あっさりとかき消されてしまった「赤ちゃん」です。

こうした人工授精で生まれる赤ちゃんの数は増え続けて、
不妊に悩む若いカップルたちに、両手で我が子を抱く幸せが届けられる。
そういった医療について、否定はしないけれど、
現場では、これらの人工的な受精と妊娠に、
あまりに慣れすぎてしまっているのではないだろうか。

受精させたときから、
自分と同じ一人の人間の命がスタートしているのだ・・・
ということを忘れなければ、
そんな粗雑な作業になるわけは無いと思う。

しかも、その命は、それらの医療を行った人たちが、
人工的に無理やり作り出した「小さな命」だというのに。

投稿者 sako : 20:32 Write:20:32